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「わかる」には3種類ある



こんにちは、Tutoryです。


夏休みも終盤に入りました。いま指導している受験生には、夏期講習に通ったり、ご自宅で親御さんが教えたりしているご家庭も多いのですが、そんなとき「わかる」という言葉の危うさを考えずにはいられません。


親御さんの中には、自宅学習で教えている際、一通り説明したあと、「わかった?」と聞く方も多いと思います。そうすると、だいたいお子さんは「わかった」と答えます。しかし、ここにトラップがあるのです。


子供が分かったと言ったので、問題を解かせてみると全然解けない。それどころか、さっき説明したことが全くできていない。「さっき『わかった』って言ったでしょ!」と言いたくなります。でも、お子さんからすると、「説明してもらっている時は本当にわかったの!」となりがちです。


このギャップはどうしてできるのか?

塾講師をやって、そんな話をたくさん見聞きし、僕が最終的にたどり着いた結論は、「わかる」には3段階ある、ということです。


第一段階は、「説明はわかったが、人に説明できない」状態です。つまり、言っていることはわかるが意味は分からない、したがってアウトプットできないという状態。お子さんは、この段階で「わかった」と答えがちですが、あくまで「言っていることはわかる」だけに過ぎません。


第二段階は、「説明も分かったし意味もわかった。だけど問題が解けない」状態です。第一に比べると理解度が進み、納得感が出てきます。しかし、問題が解ける段階には至りません。受験勉強の場合、分かったかどうかは問題が解けるかどうかで判断されることが多いので、お子さんはわかったつもりでも、親御さんからするとわかったうちに入りません。


そして第三段階が、「説明も意味もわかったし、問題も解ける」状態です。親御さんからすると、お子さんに至ってほしい段階はここですし、お子さんの「わかった」は、これを意味している、と勘違いしがちです。


このギャップに気づかないと、お子さんが嘘をついているとか、分かっているのに解けないのはやる気がないからだとか、とんちんかんな捉え方をし、おかしな方向へ導いてしまいます。それどころか、お子さんからすると「お父さんお母さんは自分を信用してくれない」となり、親子関係が悪くなってしまいます。


ではどうやって第三段階まで持っていくか。

まず、第一→第二は、お子さんに解き方を説明させたり、途中の過程を書かせることが有効です。お子さん自身も、分かったつもりだったということの気づきになります。


第二→第三は、やはり問題練習です。第二段階までに身につけた武器を「どう使うか」を習熟します。また、学んだことを客観視できるので、同じことを別の角度から考えるきっかけにもなり、理解度が増します。


凡庸な解決策と思われるかもしれませんが、これができていないご家庭は多いです。

自宅で指導する親御さんにおかれましては、お子さんの「わかった」をすぐに鵜呑みにせず、過程のチェックや問題演習を通じてどの段階なのかをチェックすることが重要です。


受験勉強を学習塾に任せている場合でも注意が必要です。特に大手の集団塾は、第一段階まで持っていくのが非常にうまいです。ですから、授業後はみんな「わかった!」と言うのです(逆に、授業後にお子さんが「わからない」と言うようでは塾を替えるなどの措置を取りますよね)が、お子さん1人1人がどの段階なのかまではチェックしません。それは生徒側の責任と考えているのです(塾講師としては、わからなくもない主張ですが・・・)。


みなさんも、「わかった」という言葉にだまされないようにしてください。

良い意味で、お子さんの言うことを信用せず、客観的に判断するようにしましょう。







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